<最後のお別れ>下の世話になりたくない、前歯の金歯をぎらつかせる92歳おばあちゃん

出会いと別れの介護日記

こんにちは、だんごママです。

特別養護老人ホームでパートとして働いているだんご三兄弟ママです。

働き始めてから早くも2年が経ちました。

その間に10人のおじいちゃんおばあちゃんとのお別れがありました。

今日はそのうちの一人「下の世話になりたくないおばあちゃんの最期」を記します。

このおばあちゃんは、車いすに乗りいつも自走されて、色々場所へ出向き、

昔のことをよく語ってくれました。

・字の書けない友達の恋文を書いてあげたり、

・夫と初めてのパチンコでラッキーガールになったり、

・昔はモテてよくナンパされたり、

・下の世話にはなりたくねぇな、と呟いたり

よく笑い、たびたび泣く92歳のおばあちゃんです。

<恋文を書いた甘酸っぱい思い出>

92歳のおばあちゃん。昔は皆が字をかける時代ではありませんでした。

この92歳おばあちゃんは、友達に「恋文」を書くようお願いされ、男の人に渡す役まで引き受けてたようです。

「恋文を書かされたんだ」と嬉しそうによく話してくださりました。

<旦那とパチンコに行ってラッキーガールに>

92歳のおばあちゃん。親指を立てて「これ(夫)によく連れてかれた」とパチンコの話もしてくだりました。今は親指の存在である旦那様は先に天国に行かれています。

居室の棚に旦那様の写真が飾ってあり、その写真を見るたびに「つるっぱげで全然かっこよくねぇんだ(笑)」とよく思い出されていました。

<ナンパされた過去を語るおばあちゃん>

「昔は可愛かったからよくナンパされたんだ」と談笑されていました。この92歳おばあちゃん、写真を撮ろうとカメラを向けると、本当に素敵な笑顔を作られて写真撮影に挑んでくださります。写真写りもお綺麗で、ステキなおばあちゃんなんです。

<下の世話になりたくない>

このおばあちゃん、ベッドに移ったりトイレに行かれるのも全部一人でできました。

車いすの移動中に、職員に抱えられてベッドへ横になるおばあちゃんを見かけると、よく「ああは、なりたくねぇな」と言っていました。結構、現実をしっかり捉えられているおばあちゃんです。

この92歳おばあちゃん、急に「家に帰りたい」と言い出しました。

喜怒哀楽があるおばあちゃんですが、「家に帰りたい」とは口に出すのを聞いたことがなかったので、驚きました。

そして、このおばあちゃんよりずっと若いおばあちゃんに

「皆帰りたくても帰れないの!」と叱られてしまいました。

しょんぼりとするおばあちゃん。「元気出して」と励ましますが哀しみは深いようでした。それから数日後、ベッド上で、呼吸が苦しくなり喘鳴が聞こえ始め、胸がいたいと訴えたので、ナースを呼び待っている間声掛けを続けていると、

「娘のように思ってる。」と声を絞り、涙を浮かべておっしゃりました。

その後、すぐに病院に行き診察後、肝不全と診断され入院となりました。

明るい92歳おばあちゃんが老人ホームへ戻ってきてくれると信じていましたが、

1週間の入院後お亡くなりになりました。

入院中は、息子やお嫁さんとたくさん話をして過ごせたようです。

下の世話をかけることなく、老人ホームからいなくなった92歳おばあちゃん。

奥歯の銀歯をぎらつかせて笑うおばあちゃんの笑顔が忘れられません。

やはり、亡くなる前は家のことをふと思い出すのでしょうか。。

天国に旦那様と仲良くパチンコ話でもしているはずです!!(悲)

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