<最後のお別れ>親方気質、豊かな感情を持つ認知症88歳おじいちゃん

出会いと別れの介護日記

こんにちは、だんご三兄弟ママです。

3人の男の子を保育園や小学校へ送り出し、特別養護老人ホームでパートとして働いています。

老人ホームは出会いと別れの場所です。だんご三兄弟ママが老人ホームで2年間働く間に10人以上のおじいちゃん、おばあちゃんとの出会いと別れがありました。

今日は、親方気質の認知症を発症しているおじいちゃんとの思い出。。

レビー小体型認知症のおじいちゃん

このおじいちゃん、88歳。

九州男児の頑固で優しいおじいちゃん。元々大工さんをしていました。

足腰は丈夫で一人で歩くことができますが、認知症を発症していました。

認知症の種類は4種類に分けることができます。

・アルツハイマー型認知症(認知症の約半数)

・血管性認知症(脳血管障害が原因)

・レビー小体型認知症(幻視や手の震えなど)

・前頭側頭型認知症(社会性の欠如)

このおじいちゃんの認知症は、レビー小体型認知症。

普段は、穏やかな表情をしています。

よく、ご自身の名前の由来を語ってくれました。平安・鎌倉時代に活躍した「源義経」の漢字をもらって名付けられたと。厳しくも優しい親父さんを思い出して思いにふけることも。

だんごママ「義経ってどんな人でしたっけ?」と聞くと、

ゆっくりと丁寧に、厳しくも優しい眼差しで教えてくれました。

驚いた顔で(そんなことも知らないのか)と顔を見つめられることも(笑)

目じりを下げ、目を細くして、故郷福岡の様子を語ってくれることもありました。

レビー小体型認知症の症状「蛇が出た!」

ある日のおじいちゃん。いつもの優しい穏やかなお顔が一変、目が吊り上がり厳しい顔つきに。

すると、フロア中の椅子やソファを一人で動かそうとします。危ないので静止しようとすると、厳しい口調で

「蛇が逃げた。やるしかない」とおっしゃり、職員に指示を出し始めました。さすが元大工の親方、指示の仕方は貫禄たっぷりです!

そこでは、危なくないように職員たちは親方の指示にせっせと従います!おじいちゃんのやりたいようにさせてあげるのも「尊厳」です。

気が済むと、厳しい顔つきのまま椅子に座り腕を組んでいました。すぐには穏やかな表情には戻りません。でも、次の日の朝にはいつもの優しいおじいちゃんに戻っていました。

レビー小体型認知症の症状は「幻視」が見えるということです。

このおじいちゃんの昔の仕事ぶりを見るような感覚で付き合っていくのが、最善の方法でした。

おじいちゃんとの別れは突然でした

そして、このおじいちゃんとの別れは突然訪れました。

いつものように老人ホームに出勤すると、夜勤の男性から「今朝亡くなった」と。

夜中に、ベッド上で吐血されそのまま帰らぬ人となりました。

もし、もう少し早く気づけたら、助かったのかもしれません。

夜勤の見回りは、その時間も決められているし、一人で20人分の見回りをしなくてはいけません。

夜勤で心臓が止まった状態の利用者様を発見した場合、応援を呼び、救急隊が駆け付けるまで心臓マッサージなどの蘇生をします。

でも、このおじいちゃんの寿命だったのかな。。

おじいちゃんの部屋に行くと、血の付いたシーツがありました。。

目じりを下げ、歯並びのよい白い入れ歯をのぞかせて、ニカっと笑うおじいちゃんが忘れられません。

おじいちゃん、おばあちゃんとの別れはいつやってくるか分かりません。

特別養護老人ホームに住む家族がいる方は、手紙やオンラインでも良いので、ぜひ大切な思いを恥ずかしがらずに伝えてください。

認知症のじじばばに会いに来て(症状は日々変わります)

認知症を発症していて家族が分からなくなってしまった方もいますが、認知症の具合は日々変わります!ある日突然「お父さんどこ行った?」「お母さん待ってるんだ」と思い出したり、息子さん娘さんのことを語ってくれたりしますよ。

突然の別れは、おじいちゃんおばあちゃんだけではありません。いつもの何気ない毎日を本当に大切にして生きていこうと思います。

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